この間、コンビニのコミックコーナーに目をやると『夕凪の町 桜の国』があった。この手の漫画がコンビニで売られるのは、おそらく異例で、その素晴らしさが、かなり知られてきたということだろう。この間までは、『夕凪の町』だけしかなかった近所の中規模書店にも、こうの作品が取り揃えられ、売り場も広げられていた(写真)。
韓国版も出版されることになったが、「原爆投下は戦争を終わらせるため仕方なかった」という前書きが付けられることになった。作者のこうの氏側は、出版社側の見解だと明記することと、こうの氏自身による「朝鮮人被爆者」問題についての韓国語版向け序文を付けることで、了解したという。「靖国」参拝を強行する首相を持つようでは、アジアに日本の戦争被害を理解してもらうのは、なかなか難しいだろう。この作品の出版が、ともに侵略戦争に反対していけるような「相互理解」の一助になればと思う。