映画人9条の会の1周年の集会が、12月13日開催された(東京文京区シビックホール)。
第1部は、「映画監督、9条への想いを語る!」で、大澤豊監督・神山征二郎監督が発言者として登場した。
◆大澤監督「終戦時10歳だったので、新しい憲法はわからないところもあったが、ともかく戦争しなくなったことがうれしかった。9人の知識人による「9条の会」の設立記念講演をきいて、涙が出るほど感激した。自分は映画で運動を進めていきたい。夏には、憲法をテーマにした劇映画を公開する予定。」
◆神山監督「シナリオ作家協会や映画「さくら」などで、中国との交流を経験してきたが、中国側の危惧が現実のものになった。中国を敵視した小泉外交は、退陣に値する大失政。あまりにひどすぎる。しかし、個人の力はたかが知れているので、憲法でチェックし、その意義を広げていかなければならない。」
第2部は、川本喜八郎・高畑勲両監督による「アニメ作家、9条への想いを語る!」
◆川本監督「来年岩波ホールで折口信夫の「死者の書」を公開する。死者を鎮めることが主題で、古来から日本は敵も見方も区別なく、鎮魂してきた。これまで、メッセージ性のある作品は作ってこなかったが、今回は靖国問題を意識した。」
◆高畑監督「小泉首相の支持率が58%とNHKは報じていた。改憲勢力が3分の2になるとは、思いもしていなかった。イタリアの映画祭に先月参加してきたが、ヨーロッパは町が機能していると感じた。アメリカは車がなければ生活できない世界。日本もアメリカにべったりで、その方向に。いままでは責任をとらず、ずるずるきているので、9条がなくなることを考えると恐ろしい。58%の支持者も被害をこうむることを、知らせてかなければ。」
第3部は「国際的視点から、9条への想いを語る!」で、池田香代子氏とジャン・ユンカーマン監督が発言した。
◆池田氏「9・11問題から書いた 「世界が100人の村だったら」とこの本のイメージ曲・レノンの「イマジン」は、9条と同じ精神。憲法の絵本をつくっていて、13条を9条が支えていると気がついた。自民党の集まりにもよくいくが、9条を変えることに恐れを感じる人も多い。条約を守ることや外国人の人権を尊重するなどは、新たに加えたいことろ。ひとり5人今日のことを伝えてほしい。」
◆ユンカーマン監督「 「映画日本国憲法」は、教材用として作り始めたが、劇的なので多くの人に見てもらおうと思い直した。憲法が変えられようとしていることと、実現していないことが悲しいところ。日本は戦争をしない国というのは、世界中に知られている。アメリカと戦争に向うか、アジアと共生していくか選択を迫られている。爆笑問題の太田光が9条を世界遺産に、と主張しているように、この動きは希望を持てる広がりをみせている。」
なお、客席には、降旗康男監督と羽田澄子監督の姿もあった。
517人で発足した会が、現在1097人となったと、高橋邦男事務局長より報告され、1.会員を大幅に増やす 2.学習・宣伝活動 3.9条反対の意思をさまざまな形で表明 などの訴えが呼びかけられた。
映画人九条の会